自分の名義ではない車でも代理で廃車手続きはできるのか

公開日:2023/03/15  最終更新日:2023/03/10


車は所有者が決められており、勝手に他者が処分することはできません。しかし、亡くなった人の車や、持ち主が分からず長期間放置された車など、自分のものではない車を処分したい場合もあるでしょう。適切な手順を踏めば、他者名義の車でも廃車にすることは可能です。この記事では、他者名義の車の廃車方法を状況別にご紹介します。

自分の名義ではない車でも廃車手続きを進められるのか

車を廃車するかどうかを決める権利は、所有者の名義人にあります。そのため、基本的に他人が勝手に車を処分することはできません。しかし、さまざまな事情から家族や友人、他人などの車を処分にしたいときもあるでしょう。

他者の車を廃車するときには、勝手に手続きを進めてあとでトラブルになることがないよう注意する必要があります。車を譲り受けた場合や、遠方に住んでいる家族の車など、名義人と連絡が取れる状況であれば、車の名義人を自分に変更してから手続きを行うことでスムーズに処分できます。名義変更と廃車を同時に行いたい場合は、移転抹消という手続きをしましょう。

移転抹消するためには、その車が名義人から新たな持ち主へ譲渡されたことを示す譲渡証明書や委任状、印鑑証明書などが必要です。委任状や印鑑証明書を提出することによって、廃車業者は名義人に車を処分する意思があることを確認でき、あとでトラブルが起きることも防げます。

【パターン別】廃車手続きの方法とは

他人の車を処分したいケースはいくつかあります。名義人と連絡が取れる場合は、委任状や印鑑証明書を用意し、名義人を自分へと変更してから手続きすることでスムーズに廃車にできます。しかし、さまざまな事情で名義人と連絡が取れない場合もあるでしょう。では、状況ごとに対応方法を3つご紹介します。

名義人と連絡が取れない場合

他者名義の車を廃車にする場合は、名義人の委任状や印鑑証明書が必要となります。しかし、名義人と連絡が取れず、委任状や印鑑証明書が用意できない場合もあるでしょう。

その場合、廃車業者になぜ名義人と連絡が取れなくなったのか、どうしようもない理由があることを説明しましょう。そのうえで、廃車業者が車を処分しても問題なさそうだと判断した場合は、覚書を作成して車を引き取ってくれます。

ただし、委任状や印鑑証明書がない場合、運輸支局で抹消手続きはできません。それでも、自動車税の支払いは停止できるため、家族などの負担は軽減できるでしょう。

亡くなった人の車を廃車する場合

亡くなった人の車を処分したい場合、車は資産として扱われるため、誰かがその車を相続して名義を変更する必要があります。亡くなった人の車の名義を変更するためには、亡くなった人の死亡を証明する書類や、相続を証明する書類などが必要となります。相続が完了すると車の所有権は新しい所有者へ移るため、通常通りの廃車の手続きが可能です。

相続したタイミングによっては、自動車税や自賠責保険の還付金を受け取れる場合もあります。相続を放棄した場合は原則廃車手続きできないため注意しましょう。やむを得ない事情により相続できない場合でも、状況によっては手続きできる場合もあるため、一度廃車業者に相談してみることをおすすめします。

持ち主不明の車を廃車する場合

他者の車を処分したいケースの1つとして、自分の所有地内に持ち主が分からない車が停められている場合もあるでしょう。すぐに処分したいと考えるかもしれませんが、まずは警察に連絡して事件性の有無を確認することが大切です。警察が車を確認し、事件性があれば、その車は警察によって保管されます。しかし、事件性がないと判断された場合、警察は介入せず、車の回収なども行いません。

そのため、自分で対応していかなければなりません。まずは車に連絡期限を記した警告書を貼りましょう。警告書を貼っても期限までに連絡がなければ、運輸局に登録されている情報をもとに所有者の氏名や住所を調べましょう。調べた内容をもとに所有者へ連絡を試みても連絡が取れなければ、専門業者に放置車両の撤去・解体を依頼しましょう。

廃車の方法が分からないときはどうすればいいのか

自分名義の車を処分するときは、必要な書類を用意することでスムーズに手続きができます。しかし、他者の車の場合、通常の廃車手続きとは方法や必要な書類が異なり、どうすればよいかわからない人も多いでしょう。

また、状況によって手続き方法も異なります。そのため、対応方法がわからないときは廃車業者に相談しましょう。電話やインターネットで連絡をして事情を説明し、どのように対応すればよいかを教えてもらうことで、スムーズに手続きできるでしょう。

まとめ

他人名義であっても名義人の委任状や印鑑証明書が準備できれば、代理で廃車手続きを行うことは可能です。しかし、名義人と連絡が取れない場合や、亡くなった人の車を処分したい場合、自分の所有地に放置された車を処分したい場合など、必要な書類の準備が難しい場合や対処方法がよくわからない場合もあるでしょう。

名義人に連絡がつかない場合は、廃車業者に事情を説明し、相談しましょう。亡くなった人の車を処分したいときは車を相続し、自分の名義に変更してから手続きをしましょう。

持ち主が分からず放置された車は事件に関係している可能性もあるため、まずは警察に連絡することが大切です。このように、他人の車を処分する方法は状況によって異なります。手続きを行ったあとに名義人とトラブルにならないためにも適切に対応しましょう。

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